【朗報】泉鏡花フヱステヰバル、開催可能 ほか雑文

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ここ数ヶ月で見かけるたびにブック◯フへ入り、ち◯ま文庫の棚を探してはちくちく買うなどしていた泉鏡花集成。結局10巻は手に入っていないが当該巻の収録作品は山海評判記と薄紅梅なので別の本でカバーし、集成未収作や随筆なども文庫で出ているものもあったりするので拾い、先日ついに『由縁の女』を揃えてほぼ完成と相成った。欠巻の種村季弘の解説が読めないのだけが残念だがまだ微傷だろう。もちろん全集などには及ぶべくもなく、文庫で網羅できる限界に挑戦したわけでさえないのだが、それでもこれだけまとまって鏡花を賞味できるところまで持ってこれたのは大きい。

この集成はいずれもちゃんとした古本屋さんで買おうとすると意外とけっこうな値段になってしまう。とはいえ途中から半ばヤケクソになりながらブッ◯オフ巡りだけで揃えることにこだわったあたり自分でもアホなのではないかと思うのだが、まさか本当に、しかも年内に揃うとも思っていなかったので驚いている。まあ、ひとまず落ち着いたとからよしとしよう。これだけで1年は楽しめそうなものだが年明けあたりからじわじわと読み崩してゆこうかという心算である。用法用量を守らなければ。

ところで、泉鏡花と私との出会いは中学生の時分だった。夏ごろBS2の劇場版アニメ特集で放送された『サクラ大戦 活動写真』を観た私は、この作品のことをよく知らないのに非常に興奮しながら楽しんだ。(よくこれはファン向けの映画と言われるが、ではなぜ私が楽しめたのか? おそらくこれは謙遜したファンの言い分なのでは?)いまでもBlu-rayをたまに観直すこともある本作だが、劇中劇として上演されるのが泉鏡花の『海神別荘』で、当時から少し気になっていた。ただし作品を読んだのは大学に入ってからだ。中学から高校にかけて私は陸上競技に熱中する脳筋少年だったから(いまでも思考回路はそんな感じである)、その期間そもそも読めたと言える活字の本も指折りほどしかなかったかもしれない。だからといって読んだら読んだでハマることもなくまたしばらく生きてきたのだが、近来にして熱意のようなものが不意に湧くというのも不思議な話である。人生、どんな辿り方をするかまったく読めない。

 

※名物・村上牛の豚串はなかった

今日は表参道のネスパスに行ってきた。ここは新潟の物産館で、地元のものがいろいろ売っていて楽しい。今回の目的といえばきのこのお汁とルレクチェで、人にオススメしたら自分も行きたくなってしまったので思わず訪れたという次第である。もはやきのこしか入っていないというお汁が想像以上のボリュームで、もうこれだけでお腹いっぱいになりかけたほど。けれどもそのあとのフルーツも別腹のように美味しくいただいてしまった。目当てのルレクチェはもちろん美味しかったけど、日本梨のシャクシャク感も予想外のアクセントになっていて周囲からはご満悦に見えたことだろう。食べるだけで健康になった気がするのもおトクである(気のせいだぞ)。

ネスパスにはかなり久しぶりに足を運んだので品揃えなどで残っている印象はなかったが、ふらふら眺めてみるだけでかなり楽しものと気づいた。地元の隣町のパン屋で売ってる羊羹とか、珍味とか、かんずりは元のやつだけでなく生のやつとか変わり種とか、日本酒にしてもこっちの居酒屋で出回らないようなものとか、いろいろ売っていてけっこう面白い。八海山のところが造ってるビール、むかしは泉ビールみたいな名前だと思ったけど変わってたぽい?(同じかはわからないが泉ビールはめちゃくちゃ美味い)

あと玉川酒造の越後武士ナポレオンがここで買えることにもたまげた。このお酒は法律上リキュールに分類せざるをえないが作り方はそのまんま日本酒という面白い飲み物で、なかなか味わい深くてときめく。どうしてこれを知っているかというと、これを出してくれるお店が下北沢にあり私もたまに飲みに行くからなのだが、実はそのお店のご主人の実家が玉川酒造なのである(「かざまん家」で検索してね)。新潟の食材と料理にこだわっていて私の故郷とも味覚の圏域が近い、こっちでは重宝できる数少ない居酒屋だ。お酒など言うまでもなく豊富で、やはり私の地元のいちばん好きなお酒を置いていることもあるし、別に詳しくはないとはいえ新潟出身の自分でも聞いたこともない銘柄と出会うこともある。ときおり情報を確認するときのこを入荷したとかルレクチェが届いたとか見かけて「行きてー!」と気にするたびに行けないまま逃していたので、そういう意味でも今日ネスパスに行けたのはよかった。が、書いててまたお酒のほうも飲みに行きたくなってきてしまうあたりダメ人間だわね。

 

※人間、切羽詰まると…

本を買う。「なんの記念日でもないのに。」買ってしまうのな。「本を買った日がその本を買った記念日だ!」反省は見られない。永遠に。ただまあ来年は買うことより読むこと、それから書くことも優先してゆきたいでありんすな。

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